感謝祭のすすめ

・感謝祭の特徴
・概要
・実践


【感謝祭の特徴】
感謝祭とは:
Wing編とは別のストーリーが展開されるモード。
True Endが無いため、プレイの目的は、
以下のいずれかになる。

・感謝祭ストーリーの確認
・フェスアイドルの育成

今回は後者を主な目的とするが、
前者に関しても同様の進め方で問題ない。多分。

 

前提:
サポートがある程度揃っていないと、
そもそも感謝祭育成のメリットを
得られない可能性がある点に注意。
以下の適正サポートを所持していると楽になる。
※限定必須と言いたいわけではない


適正サポート:
寝甘奈/駅真乃/星灯織/花めぐ/四峰
体力サポート(例:ハミ甜、霧霧奇憚、アス灯、花咲、指咲)
マスタリー体力(例:菓子甘、やみみ)
マスタリーSP(例:菓子甘、やみみ、スパ冬)

 

特徴:
・思い出5の達成が容易
・思い出とステータスの両立が容易
・ステータスだけ伸ばしたい場合は、
 運に左右されやすく不安定

→もうちょい詳しく
wingではアイドルの配置でステータスが、
約束の発生率・発生箇所やタイミングで
親愛度が決まってくると言える。
ステータスはある程度安定して上げられるが、
親愛度はかなり運に左右される。
→wingはステ安定、思い出不安定

対して、感謝祭では、アイドルの配置や
取得ノートの種類(ノートの埋まり具合)で
ステータスが、ノートの埋まり具合と約束で
親愛度が決まる。
ステータスを上げることにすら運が付きまとう点が、
感謝祭を運ゲーたらしめている所以だが、
ノート埋めさえ上手くいけば、自ずと親愛度も上がる。
→感謝祭はステ不安定、思い出比較的楽

 

【概要】
感謝祭概要:
・アイドルと一緒に行動することによって
 ノートをアイデアで埋める
・ノートを埋める度にステータスが上昇
・ノート完成で親愛度も上昇
・レッスンお仕事でステータスがあまり伸びない
・オーディションは無し、ファン数ノルマも無し

 

ステの上げ方:
・ノートで大幅にステが鍛えられる
・マスタリー系統のスキルでステ増強

 

ライブ:
オーディションは無し。wingも当然無し。
代わりにシーズン2終了時にリハーサル、
シーズン4終了時に感謝祭本番のライブが
行われる。

 

編成概要:
・編成内で必要なアイデアを確保することが重要
・どのアイデアも最低1つは必要となるため、
 最終的なアイデア構成に沿う形でサポートを決定

例:
最終理想系:Vo4,Da1,Vi1,Ta1,Ap4

初期編成 :Vo1,Da1,Ta2,Ap1
→Taが一人余計

初期編成 :Vo3,Da1,Ap1
→偏っているように見えるが、問題なし

当然だが必要なパッシブスキルや上限解放を
所持しているサポートも編成に組み込む必要もある。
また、体力サポート系、及びSP獲得系の重要度が高い。

→もうちょい詳しく
体力サポート系:
ノート埋めの時間的制約が厳しく、
休みを取る暇がないため、
体力を節約するスキルが重要。
SP獲得系:
感謝祭ではトークでもSPの獲得が難しいため、
ノートでSPを確保することになるが、
それでも足りない場合はスキルで補う必要あり。


立ち回り概要:
基本的に序盤は☆1ノートなどを埋めつつ、
お手伝いが増える中盤-終盤で☆3ノートを
2冊完成させ、親愛度100を目指す。
(☆3ノート2冊完成で親愛度+50)

・新規ノートはアイドル配置を確認してから設定
・ノートのアイデアを埋めることを最優先
・ノートの☆が少ない序盤はなるべく約束を守る
・指標として消費体力や絆も考慮する
・お手伝いの選択は臨機応変

 

【実践】

編成実践編:

1.編成準備

①目標の設定
当たり前ではあるが、目標ステータスや、それに必要な
上限解放、確保したいパッシブバフなどは先に確定させる。

 

②アイデアの配分
最終的な編成は初期編成5人+お手伝い6人の計11人。
基本的には特化部分とアピールは重ねて、他は1人。
→Vo4, Da1, Vi1, Ta1, Ap4など
初期編成では上記を満たした上で、特化部分とアピールを
最低でも1人ずつ組み込みたい。
→初期に設定するノートを埋めるのに必要

全色育成の場合、特化部分を2色に重ねて残りの1色を
マスタリーなどで確保するのが良いらしい。

 

③Exスキル
感謝祭はノート以外でステータスを伸ばしにくい為、
Exスキルの影響が出やすい。
Pアイドルの初期値増加系は勿論だが、
Sアイドルはサポートイベント発生率アップが有用。

感謝祭のノートを入手する手段は限られており、
目的のノートが全く出ないことが原因で育成を
断念することも多い。

Sアイドルのサポートイベントは、
ステータスの上昇だけでなく、発生時に
ノートを1冊入手できるため、Wing編よりも
受けられる恩恵が大きい。

 

④持ち込みアイテム
Wing同様に体力を回復するタルトは強力。
Wingよりも絆の重要度が高いため、
タオルやTシャツも選択肢に入る。

そしてここでだけ輝けるトラブルお守り。
感謝祭のトラブルはステータスやテンションの低下
よりも、アイデアが埋まらないという点が非常に痛い。
トラブルお守りは失敗を無効にするだけでなく、
失敗してもアイデアを埋めてくれる点が非常に大きい。

困ったらとりあえずタルト+お守りで良いかと。

 

⑤お手伝い準備
お手伝いアイドルはユニットマスタリーに
カウントされず、スキルも発動しないが、
唯一「アイドルの絆」だけは参照され、
参入時の絆値として反映される。

これが実は重要で、絆値によって
イデアレベル(アイデアの補正)が3段階に
分かれており、アイデアレベルが高いほど、
ノートを埋めた際のステータス上昇値が
高くなる。
→絆50以上でアイデアレベル2、75以上で3

 

初期編成に組み込まれているアイドル以外で
お手伝いに呼ばれる可能性があるアイドルは、
事前にレベルを上げておくことで絆初期値を
高めることができる。
特にアピールはどんな育成でも呼ぶ上に、
アピールアイデアを持つサポートは少ないため、
上げておいてもいいかもしれない。

 

また、これは初期編成アイドルにも
同様に言えることであり、レベル80まで
上げたサポートアイドルは、絆初期値が
高いため、ステータスの伸びが良くなる。
加えて絆が発生条件に関わるサポートイベントが
序盤から発生する可能性が生まれるため、
ノートも少しだけ確保しやすくなる。

 

2.お勧めサポート

【限定】
非常に強力なサポートが多く、
殆どの編成に組み込まれる。
ここの枚数で優劣がつきやすく、
感謝祭育成のクオリティが限定によって
飛躍的に向上すると言える。

 

【駅線上の日常】櫻木真乃
感謝祭の女。
ユニットマスタリーSPにより、SPの獲得が可能。
この真乃の為に灯織めぐるを編成するほどに強力。
2種のレッスンマスタリー体力により、
該当の場所で同席すれば実質体力消費無しで
レッスンを行うことが可能。
上限解放、ライブスキルも2色なため、
編成する際の縛りが薄い。
パッシブバフも優秀。単体で体力確保、SP確保、
上限解放、バフ取得と全てを担うことができる。
イデアも競合しにくいVoで悪くない。
お手伝いではユニマスが発動しない点にだけ注意。

 

【星掬い藍仰ぐ】風野灯織
ラジオトークのマスタリー体力により、
体力消費無しとはいかないまでも、
体力消費の軽減が可能。2箇所で発動するのが良。
2色のユニットマスタリーで、ステータスを
多少増強できる。
駅真乃同様の2色の上限解放、パッシブバフ、
ライブスキルを持つ。
オーディションマスタリーSPが完全に死にスキル
となっており、アイデアも優先度の低いトークだが、
それでもなお高い性能と、駅真乃との相性により、
非常に強力なサポートとなっている。

 

【花笑み咲匂う】八宮めぐる
高いトークマスタリー体力により、
殆ど体力消費無しでトークを行うことが可能。
2色のユニマスや上限解放、パッシブバフ、
ライブスキルなどは星灯織と同様。
オーディションマスタリーが死んでいるのも同様。
特筆すべき点として、アイデアが非常に貴重かつ
一番重要なアピールであることが挙げられる。
アピールは最低1人は編成したいアイデアであるため、
そこを確保することで編成の組み易さが大きく変わる。

 

【賑やか四畳半】三峰唯華
トーク特化の性能。トークマスタリーSPで
獲得SPを増加させるだけでなく、花めぐる以上の
トークマスタリー体力も所持しているため、
トーク同席時には体力が僅かに回復する。
イデアも貴重なアピール。
通常よりも多くの上限解放パネルを
所有している点も優秀。
Daサポートでありながら、他の色の編成に入れる
余地があるほどに強力なサポート。


【ウォーム・スノウ】桑山千雪
アピールアイデアでありながら駅真乃と同等の
ユニマスSPを持ち、感謝祭と相性の良い
パーフェクトマスタリーを所持している点が非常に強力。
パッシブスキルや上限解放、固有アピールも
全てが高水準なサポート。
寝甘奈と併用することでユニマスの恩恵を受けることができるが、
現状大崎甜花の有用Daサポートが存在しない為、
組み合わせとしてはイルミネに劣る。
アルスト専用サポートと言っても差支えがない。

【きまぐれのめぐみ】田中摩美々
5人ユニットのユニットマスタリーSP。
高いDaマスタリーSPも所持しており、
SP確保に特化している。
上限解放パネルの枚数も優秀。
パッシブバフも強力で、Daアンティーカを
組む際には重宝される。


【スリープ・オーバー・ベイビー】西城樹里
5人ユニットのユニットマスタリーSP。
きまみよりも高いユニマスSPを持っている分、
DaマスタリーはDaかつアイデアトーク


【プレゼントなら両手いっぱい】三峰結華
きまみのVi版。
Viの高倍率バフは珍しい。
ファみみやまみみ砲に。


【潜・潜・夏・娘】幽谷霧子
サポートイベントが非常に重要な感謝祭において、
イベントマスタリーの存在は貴重、かも。多分。
まぁ私は持ってないので知らないんですけどね。

 

【雨のちマイヒーロー】小宮果穂
バフ目的。スキルは異常に弱く、アイデアトーク

 


【恒常】
Wingと違い、適性の低いサポートが多く存在する為、
種類や特訓の進み具合で優劣がつく。

 

【まだ…寝ないから…】大崎甘奈
Wing編では見向きもされない寝甘奈。
雑誌が強力な感謝祭では無類の強さを発揮する。
雑誌の消費体力が5に対して、
撮影マスタリー体力による回復量がなんと30。
実質休みながらアイデアを埋めることができる。
ついでに撮影マスタリーDaでステも上がる。
イデアも性能と同色のDaで扱いやすく、
体力確保の観点から見ると破格の性能。
他の色の編成に入れる余地あり。

 

【お菓子なティータイム】大崎甘奈
Wing編でも見向きされる菓子甘奈。
Voマスタリー体力&SPにより、体力を回復しつつ
SPも獲得することが可能。
とは言っても体力の回復量は微々たるもので、
他色に積極的に入れるほどの性能ではない。
性能とアイデアが一致しているのも良。

 

【街角フラワーガーデン】白瀬咲耶
トークマスタリーSPにより、SPを獲得可能。
体力サポートも所持しているため、
体力SP両面でのサポートが可能。
やってることは四峰と似たような感じ。
性能とアイデアが一致。良。

 

【霧・霧・奇・憚】幽谷霧子
非常に高い体力サポートを持つ。
体力確保の面においては優秀。
VoマスタリーVoはそこまで重要でもないが、
Vo編成に組み込むには十分な性能。
性能とアイデアが一致。Voは一致が多くて良い。

 

【星合アステリズム】風野灯織
体力サポートを所持。特訓3回で良いレベルになる。
優先度は高くないがDaマスタリーDaも所持。
そして、このサポートの真骨頂は
風野灯織であるということ。
ユニマス発動要因としては十分な性能。
イデアがDaで被りがちなViである点は
少し気になるか。

 

【夜夜中ワンダーラスト】田中摩美々
スキル自体は控えめで、
ユニットマスタリーDaが多少良い程度。
Da編成では貴重なアイデア一致サポートで、
非常に強力なパッシブバフやアピールを
所有しているため、採用されることが多い。
限定のきまみと併用できないのが残念。

【闇鍋上等】田中摩美々
菓子甘奈のViバージョン
(実装順的にはこっちが元祖)

 

【スパイシーベリィデコレイト】黛冬優子
ViマスタリーVi&SPが強力。
イデアも性能と一致しており、
扱いやすいサポートだが、
実装されて間もないため、
特訓が進んでいないことが多そう。

 

【身支度はお任せ】大崎甜花
霧霧奇憚のViバージョン。
強力ではあるが、アイデアが優先度の低い
トークである点が玉に瑕。
ちなみにファッ甜はアイデアがVi。
ここで差別化するんかい。

 

【指先の煌めき】白瀬咲耶
身支度はお任せに似たような性能。
スキルの性能面では劣っているが、
イデアがアピールであるというだけで、
編成のし易さが段違い。

 

立ち回り実践編:

①ノート設定
ノートは上書きが可能だが、
上書きされたノートは消滅する
→ノートは配置を確認してから設定
→配置が悪い、体力がないといった場合
 設定するとノートの有効期限が
 無駄になるため、設定を見送る
 特に☆3ノートは埋める過程で休みを
 取る暇がないため、設定前の体力確保必須


また、ノートには付加効果があり、
新規で設定した場合はその週から
付加効果が適用されるが、
上書きを行った場合は次の週から
付加効果が適用される。
→デメリット効果を持つノートは、
 不要ノート設定→上書きを行うことで
 デメリットのキャンセルが可能

シーズン2残り5週(お手伝い3人目)辺りから、
☆3ノートの設定を考え始める。
1ページ目を1週で全て埋められるタイミングで
設定するのが望ましい。


②行き先決定
ステータスも親愛度もノート依存
故に、アイデアを埋めることが最優先
イデア以外の指標は以下
・約束
→序盤はアイデア埋めに余裕があるため
 優先度少し高め
・有用スキル(マスタリー体力、マスタリーSP)
・消費体力
→雑誌は消費体力少かつ事故率皆無
 ノート付加効果による消費増減も考慮
・アイドルの絆
→ノートによるステータスアップには、
 アイデアを埋めたアイドルの絆値で
 補正がかかる。

 

③お手伝い選択
お手伝いは最終的に6人、編成と合わせて11人
特化部分は重ねるとして、☆3ノートには
全てのアイデアが必要なため、欠けは無しが理想

例:ボーカル特化→Vo4人,Da1人,Vi1人,トーク1人,アピール4人

 

④特殊イベント
・約束
☆3ノート2冊での親愛度上昇量は50
残りの50は主に約束で上げる必要がある

加えて約束を取り付けた場所にはサポートが
集まりやすい為、反故にするかはさておき
取り付けること自体の重要性が高い

・取材
デメリットは痛いが、リターンもそこそこ
記事の種類によって効果が変化する
決定前の台詞が成功率を表しているため、
そこを目安に優劣をつけるといい

 レッスン→テンションアップ + SP+40
 期間中トラブル発生率-50%
 期間中「レッスン」「お仕事」「オーディション」で得られるVocal、Dance、Visual、Mental、SP+20%

 仕事→テンションアップ + ファン数+10万人 + 親愛度+10
 期間中「レッスン」「お仕事」で得られるファン数+100%
 期間中「オーディション」合格時に、親愛度+5

 プライベート→テンションアップ + 体力回復
 期間中体力消費量-20%

数値が大切な感謝祭においてはどれも有用だが、
成功率や継続効果も加味するとプライベートになることが多め?


⑤ライブ(リハーサル、本番)
・基本的には流行無し
・1位でノート獲得、☆21以上で大抵勝てる
・獲得した評価に応じてステータスが上昇
→リハはグッド~、本番はベスト~
・各審査員のTA獲得時、グッドVo(DaVi)で該当ステ上昇
→リハ20、本番30
・任意のLA獲得時、グッドスキルでSP獲得
→リハ40、本番60
・終了時のメンタルが高いとグッドメンタルでMe上昇
→8割以上?メンタルキュアは残してもよさそう
・3割+TAを確保したら思い出LA狙いで立ち回る
・☆を集めることが目的ではないことを念頭に

 

⑥スキルパネルは上限解放優先
・ライブの難易度が低いため、無理に強アピールを
 取りに行く必要がない。
・強アピール、バフは終了時のSPで獲得すればいい
・本番のLA獲得前提なら、本番ボーナス60、親愛度100、
 ファン人数60で、本番後におおよそ220のSPを獲得可能。
 目安として参考に。

ポケットモンスターサンムーンの感想

発売からしばらくしたので、ネタバレありで。
又聞きやうろ覚えな記憶もあるので誤情報に関しては大目にみてください。

 

結論から言うと、今回のストーリーはとても素晴らしいものでした。
キャラクターもシナリオも演出も全てが高水準であり、何よりも根本的なテーマが原点回帰と呼ぶに相応しいものでした。

 

初代ポケットモンスターである赤緑は、「少年の一夏の冒険」というテーマの基に作られた作品であり、主人公の主体性が非常に希薄です。主人公は誰かに選ばれるわけでもなく、たまたま近所に住んでいる博士からポケモンをもらい、冒険を開始します。

そもそも冒険をすることが目的であって、その結果ポケモンリーグを制覇することになるわけです。ジムバッジを集めることも冒険の具体的な内容でしかありません。伝説のポケモンもストーリーには関わってきません。あくまで冒険が目的で、その冒険の過程で出会うポケモンたちに過ぎないからです。

 

この点において赤緑とサンムーンは共通のテーマを持っていると私は感じました。
また、島巡りという慣習で一般化することによって、
初代よりもわかりやすく冒険の目的を示しています。

 

ポケモンの主人公が主体性を獲得、とまではいかないにしても、特別な存在として扱われ始めたのは、第三世代のルビーサファイアだと考えています。

RSの主人公はまずジムリーダーの息子という、わかりやすく特別な立場に置かれています。ジムリーダーを父親に持つ主人公がポケモントレーナーになることも、ジムバッジを集めて父親の背中を追いかけることも、立場からするとなんらおかしくありません。

また、RS以降のシリーズは主人公が世界を救う役割を担います。毎度出てくるなんちゃら団も恐ろしい目的とそれを実行する手段を持ち、彼らの野望を打ち砕くのが主人公です。私はこの流れを快く受け入れることは出来ませんでした。

主人公が世界を救う展開は嫌いではありません。RPG的な要素を濃くするのも良いことだと思います。しかし、そこに必然性が欠けていると感じていました。

 

特別である主人公は特別であるが故に、世界の窮地を救う場面に立ち会わされ、当然のように勝利し、世界を救ってきました。しかし、そこに立っているのが主人公である必要はあったのでしょうか。

クリア後の世界でもレベルの高いポケモンを所持したトレーナーは沢山います。何も主人公でなければならない理由はないはずです。極端な話、強ければ救えたはずなのです。戦って勝つことさえできれば、私たちが救い手となる必要なんてなかったはずなのです。

 

この気持ち悪さを拭い去ってくれたのが前作、ルビーサファイアのリメイク版であるオメガルビーアルファサファイアです。

こちらは歴代の主人公と違い、本当の意味で特別なキャラクターでした。その理由がメガシンカとメガバングルの存在です。

ポケモンと心を通わすことが出来る者のみが使用することの出来るメガシンカに、選ばれた者だけが手に入れることの出来るメガバングル。これらの存在が主人公をわかりやすく特別たらしめています。

 

あの状況で、あの場所で、世界を救えるのは、誰でもない私たちでした。

未だ嘗て、あれほど心が躍る伝説ポケモンとの邂逅があったでしょうか。

そう、ルビーサファイアから何世代にも渡って続いてきた特別な主人公は、オメガルビーアルファサファイアでその完成系を見せたのです。

彼らの特別さを受け入れることが出来ず、未だに金銀が一番好きな作品だった私も、この作品には大きく心動かされました。

 

 

さて、話を戻してサンムーンのストーリーについて。

今作の主人公は、カプ・コケコに選ばれ、キーストーンを授かります。一見特別のように見えますが、主体性は希薄であり、主人公像としてはRSより前の作品と近いように見えます。選ばれたことはきっかけに過ぎず、私たちは周りに巻き込まれる形で、前に進んでいきます。

 

初めて引っ越してきた場所で、初めて出来た友達と4つの島を巡り、試練を達成する。これは赤緑と同じく、少年の一夏の冒険であり、青春の1ページです。

さらに恒例のなんちゃら団も、言ってしまえばチンピラの集まりです。世界を征服する気なんてありません。迷惑ですが、野望もあるわけではありません。私たちが潰す必要もないのです。

もう一つのなんちゃら財団も同じです。リーリエのため、友達のためと私たちは踏み込んでいきましたが、あくまで彼女に巻き込まれた形になっています。

この作品は何かを成すための物語ではありません。冒険なのです。

 

 

サンムーンの主人公はリーリエではないかという意見をよく見かけます。確かにRS以降の特別な主人公たちと比べると、主人公らしさが薄いように感じられるかもしれません。

しかし、今作の私たちは紛れもなく主人公だと私は感じました。

これは赤緑〜クリスタルまでの、誰でも良かった私たちであり、原点回帰した主人公の姿です。特別な使命もなく、ただただ新しい場所、新しいポケモン、新しい人々と出会うのが楽しくて、未だ入ったことのない草むらを掻き分けることに夢中だった、あの頃の私たちです。

とても嬉しくて、ワクワクしました。そして、あの頃よりも洗練されたストーリーや世界観、掘り下げられたキャラクターによって、世界はあの頃と同じか、それ以上に輝いて見えました。

 

殿堂入り後の演出も素晴らしいものでした。

昔は散々苦労してポケモンリーグを勝ち抜いて、暗い部屋でポケモンたちを登録して、そしてエンディングを終えて行き着く先が自分の家でした。

私は、それがどうにも悲しかったのです。それまで関わってきた人間と深い仲になっていなかったからなのかもしれませんが、目的を達成しても喜んでいるのは自分だけな気がして、なんとなくもやもやする気持ちがありました。

今回はそれがありませんでした。最後の最後までとにかく楽しくて楽しくて、幸せでした。

特別な人間じゃなくても、リーリエにとって、友達にとって特別な存在であればいい。そう思わせてくれるようなストーリーでした。

 

 

他にも書きたいことは沢山あるんです。

マップが広くて臨場感があったとか、ポケモンライドが楽しかったとか、ハウがうざかったとか、悪役もいいキャラしてたとか、ベースは初代だけどルビーサファイア以降のような特別さも端々に散りばめられていたとか。

 

なんにせよサンムーンはポケモンの始まりを想起させてくれるような素晴らしいストーリーであったと私は思っています。

 

 

最後に一つ言わせてください、私はリーリエが帰ってきてからクリア後に入れたらなんの文句もありませんでした。島巡りを終えた私の旅はまだまだ続いているのに、傍にリーリエがいないことが辛くて辛くて堪りません。研究所に立っているだけで、話しかけると挨拶を返してくれるだけで。それだけで良かったのに。


 

 

私はゲームフリークを許しません。

 

 

 

天海春香について

 

 

 

 

 

天海春香とは、THE IDOLM@STERのメインヒロインである。

 

 

※微妙にアニメと劇場版のネタバレ入ってます。

 

 

元気で可愛く、いつも明るく。ちょっぴりドジなところもある女の子。歌も踊りも得意ではないけれど、アイドルに懸ける想いは誰にも負けない。

周囲を取り巻く個性的な十二人により、埋もれることなく輝く無個性であり、その存在が一つの"王道"となっている。

しかし、その在り方は二次創作物等々で言われている"覇道"に近い。

 

 

 

アニメ本編、及び劇場版で描かれている通り、彼女は関わったものを決して捨てようとしない。

20話で歌声を失った如月千早

劇場版で夢を諦めた矢吹可奈

そして23話で練習時間が取れずに四苦八苦していた765プロニューイヤーライブ。

彼女はその全てを残さず拾い上げて来た。流石メイン拾インと呼ばれるだけはある。なんでもない。

 

 

 

一見すると彼女の優しさ、献身性、自己犠牲の精神などが思い浮かぶが、私はここで声を大にして言いたい。

天海春香を動かしてきたものは、間違いなく彼女自身の"エゴ"である。

結果として彼女は全てを救う天使のような存在に描かれていると錯覚してしまうが、実際のところ彼女は十三の中でも一際貪欲な女の子なのだ。

 

 

 

勿論、天海春香に優しい心がないと言っているわけじゃあない。寧ろ優しさは有り余っているし、献身的でもあるし、自己犠牲の精神を持ち合わせていることも確かだろう。

しかし、それは側面に過ぎないと私は考える。

 

 

 

 

 

如月千早に手を差し伸べたのは、彼女と共に歌いたいと願ったから。

自分の仕事を止めてまでライブの練習時間を確保しようと試みたのは、みんなと離れたくない、置いて行かれたくないという思いからだ。

 

夢に敗れた矢吹可奈を引っ張り上げたのは、自らの夢を信じ続ける為。

矢吹可奈が自分と近い人間だという確信が持てずに動けなかった天海春香は、雨の日の電話でその思いを確信に変え、周りを巻き込み動き出した。

アイドルとは憧れであると天海春香は言った。その憧れは簡単に諦められるものではないと彼女は知っている。そして信じているからこそ、信じていたいからこそ、彼女を助け出した。

 

 

 

その後の台詞からも伺える通り、天海春香は自分と関わったものを何一つ切り捨てる気がない。

歌を失った友人も、繋がりが薄れた仲間も、夢を諦めた後輩でさえ、まるで自分の一部を形作るものかのように、必死で拾い上げる。

 

ひとりはみんなの為に、みんなはひとりの為に。

天海春香にとってのひとりとは、欠けてはならないみんなの一部であり、天海春香という人間ひとりを構成するのは、それを含めたみんななのである。

 

 

 

輝きの向こう側へ!で後輩たちが目指したのは自分の成功である。

自分のパフォーマンスが成功し、かつ全体のパフォーマンスも成功させる。各々が自分のパフォーマンスを成功させていれば、自然と全体の成功にも繋がるだろう。

だから、全体の成功を阻害する人間を、能力の低さから全体のパフォーマンスの質を落とす人間を排除することで問題を解決しようとした。

恣意的な書き方をしたが勘違いして欲しくないのは、わざわざ排除したわけではないということ。追いつけないなら切り捨てるしかない、当然の考えである。

 

しかし、天海春香はこれを是としなかった。

彼女にとっての全体とは、成功を約束された全体から、障害となる少数を取り除いた集団ではない。

障害となる人間も含めた全体であり、さらに言うならば、彼女の目指す成功は自分の成功ではなく全体の成功である。

 

1人の所為で全てが台無しになるリスクも厭わずに、誰よりも全のことを思っておきながら、その全に1人で立ち向かっていく。

率直に言って、優先順位がおかしいことになっているのだ。彼女にとっての一番はみんなであり、つまり一番は自分であって自分ではない。

その歪な在り方を支えるのが彼女の強靭な精神だ。24話で挫折してから1人で立ち直った姿から見ても、並の精神力ではない。

 

 

 

 

天海春香は自らを全として振る舞う。

自己表現の壁に押し潰されそうになった島村卯月とは違う。自分の役割など考えてもいない。だから劇場版で形式上のリーダーという役割を与えられた際には戸惑っていたわけだ。

全を自身と同一視しているが故に、常に全体のことを考え続けてきた。

いつでも彼女は彼女の為に、失敗や成功、葛藤、苦難障害全てを飲み込んできた。

 

天海春香が掲げる理想は、万人の抱くものではない。しかしそれは受け入れられないものでもない。

誰もが切望し、どうにもならないものを他人や環境の所為にして、頭の片隅に追いやった諦めの残滓だ。

天海春香は諦めない。それが一番正しいと信じて疑わない。決して折れずに、自分の考えだけを信じ続ける。

そして、その姿が人の心を動かす。

 

天海春香と同じ考えを持つ仲間は殆どいない。それでもみんなはついてくる。説得されたわけでも屈服させられたわけでもない。それぞれの意思を尊重した上で、彼女たちは天海春香をリーダーだと認めた。

それは彼女たちもまた、天海春香同様に夢を見ているからではないだろうか。

最良すらも認めず最高の結末だけを追いかける天海春香のその行先に。

 

 

 

天海春香は仲間の為なら常にハイリスクハイリターンな選択を取る。大失敗と紙一重の大成功を目指して、細い糸の上に身を置く。

誰よりも自分の為に貪欲に、全てを飲み込み続け、結果として仲間は須らく救うものだという考えに至っている。

彼女の救いは全て驚異的な自己満足のなせる業でありながら、そのことに自身が気付いていない。

誰よりも自分の欲望を優先した結果、誰よりも周りを優先する。そんなアンビバレンスで歪んだ存在こそが、天海春香だと私は考える。

 

 

そして、そんな彼女を支え、信じ合い、そんな彼女に引っ張られる仲間との絆。その美しさこそが、アニメアイドルマスターという作品の本質であると私は考えている。

 

 

そう、アニメアイドルマスターは、765プロという物語なのだ。