お勧めの漫画①(長編)
他人に勧める際に提示しやすいものが欲しかったのと、自分の感情に整理をつけたかったので、ちまちまと書いてみた。
一部欠けている部分は後日追記予定。
指標としてはこの記事に記載している「楽しさ」「興味深さ」「美しさ」の3つの要素を軸に、一応各5段階評価にしている。
個人差が激しい「美しさ」については、ある程度広めに見ているつもりだが、
「人物」「台詞」「展開」「絵」「愛」「怒り」「詩」辺りを重視している。
全てをまとめて紹介すると非常に長くなる為、
物語の長さで3つに分けた。今回は長編。
長編:かなり長めのもの。20巻程度を目安。
中編:10巻前後で完結済みのもの、若しくは連載中である程度巻数が少ないのもの。
短編:5巻前後で完結済みのもの。
HUNTER×HUNTER (既刊36巻)
HUNTER X HUNTER 1 (ジャンプコミックス) ペーパーバック – 1998/6/4
『自分の命と引き換えのつもりなら、何と楽に引き金を引けることか』
楽しさㅤ:★★★★★★
興味深さ:★★★★★★
美しさㅤ:★★★★★★
正直説明は必要無いと思うが、一応書いておく。
行方知れずの父親を追いかけて、父親と同じ職業であるハンターを目指す「ゴン・フリークス」の冒険譚。
地球で一番面白い漫画。
話が単純じゃないと読む気にならない人以外は、殆どの人がお気に召すと思う。
話の大筋は王道でわかりやすく、ワクワクする展開が多い。
設定や話の作り込みが緻密で、かつ物語の美しさは勿論、演出の美しさや人物の美しさ、思想や言葉の美しさまで、作品に必要な要素を全て有していると言っても過言では無い。
楽しさ、興味深さ、美しさ、どれを取っても隙がなく、どれかが苦手でも読むことに支障がない。
物語の進行度等が気になる方は蟻編(30巻)まで読むことをお勧めする。キリも良く、個人的には蟻編が最も美しいと考えている為。
進撃の巨人 (全34巻)
進撃の巨人(1) (少年マガジンKC) コミック – イラスト付き, 2010/3/17
『あれは夕暮れ時。丘にある木に向かって、3人で…かけっこした。
言い出しっぺのエレンがいきなりかけだして、ミカサはあえてエレンの後ろを走った…。やっぱり僕はドベで…。
でも…その日は風が温くて、ただ走ってるだけで気持ち良かった…。
枯葉がたくさん舞った。その時…僕はなぜか思った…。
僕はここで、3人でかけっこするために生まれてきたんじゃないかって。
雨の日、家の中で本を読んでる時も、リスが僕のあげた木の実を食べた時も、
みんなで市場を歩いた時も。そう思った。』
楽しさㅤ:★★★★★
興味深さ:★★★★★
美しさㅤ:★★★★☆
とある時期に出現した「巨人」により、滅亡の危機に立たされた人類の、巨人との戦いの物語。
巻数がそこそこ多い、グロい、怖い、人が沢山死ぬ、と読むまでのハードルが高い作品だが、非常に完成度が高い。
構成や設定が非常に緻密で、感情や思想、死生観等の哲学も描かれている為、興味深さが強い。
絵が下手だとネタにされているのをよく見るが、漫画が上手いので正直そこまで気にならない。
人物や台詞、愛、怒りの美しさが強く、印象に残る人物や場面が多い。
知名度と奇抜な設定で娯楽寄りだと思われることが多そうだが、多くの熱を含み、綺麗で美しく作り上げられた作品。
鋼の錬金術師 (全27巻)
鋼の錬金術師(1) (ガンガンコミックス) コミック – 2002/1/22
『自分を哀れむくらいなら、最初から人を殺すな。死から目を背けるな。前を見ろ。
貴方が殺す人々のその姿を正面から見ろ。そして忘れるな、忘れるな、忘れるな。奴らも貴方の事を忘れない。』
楽しさㅤ:★★★★★
興味深さ:★★★★★
美しさㅤ:★★★★☆
錬金術で人間を蘇らせるという禁忌に触れた為に、片手片足を失った「エドワード・エルリック」と身体の全てを失い鎧の身体になってしまった「アルフォンス・エルリック」が、元の身体へと戻る術を探す旅の物語。
話が進むにつれて、陰謀渦巻く大きな流れの中へと巻き込まれていく展開は非常に楽しく、伏線や謎の回収も気持ちが良い。
設定も錬金術から国の成り立ちまで、非常に緻密。
魅力的な人間がとても多く、台詞や展開、演出の美しさもある。
巻数も多過ぎず、楽しさ興味深さ美しさも全体的に高水準で、人を選ばない要素が強いように思える為、非常に勧め易い作品。
ヴィンランドサガ (既刊26巻)
ヴィンランド・サガ(1) (アフタヌーンKC) コミック – 2006/8/23
『わかってきた…まるで霧が晴れていくようだ。この雪が、愛なのだな。
あの空が、あの太陽が、吹きゆく風が、木々が、山々が。なのに…なんということだ…。
世界が、神の御技がこんなにも美しいというのに…。人間の心には愛がないのか。』
楽しさㅤ:★★★★☆
興味深さ:★★★★☆
美しさㅤ:★★★★☆
父親をバイキングに殺され、復讐に生きる少年「トルフィン」の一生を描いた物語。
戦闘描写が多く、章毎に内容が大きく変わるなど、展開も激しい為、楽しさはある程度強いと感じるが、根本的には暗い話。
愛とは何か、神とは何か、戦いとは何か、戦士とは何か。生に関わる哲学が多く描かれており、興味深さも強い。
展開や人物、台詞、愛、怒りの美しさが強い。
透明感がある美しさではなく、泥に塗れて傷付きながらも歩いていくような、力強い美しさとでも言うべきだろうか。
ある程度は重い話への耐性が必要だと思うが、そこさえ問題にならなければ強く勧められる。
かぐや様は告らせたい (既刊25巻)
かぐや様は告らせたい 1 ~天才たちの恋愛頭脳戦~ (ヤングジャンプコミックス) コミック – 2016/3/18
楽しさㅤ:★★★★★
興味深さ:★★★★☆
美しさㅤ:★★★☆☆
国内屈指の名門校で生徒会長を務める「白銀御行」と副会長を務める「四宮かぐや」は、互いを想い合っているものの、プライドの高さが邪魔をして素直になることができない。
そこで二人が辿り着いた答えは、何とかして相手から告白させることだった。
頭脳を駆使して主導権を握り合う恋愛頭脳戦漫画、と言いたいところだが、実態はギャグ多めでシリアスもあるラブコメ。
ラブコメには珍しく物語性も強く、人物や物語の美しさもある。
ギャグ故の楽しさと、展開の緻密さから来る興味深さもある。
ギャグ、ラブコメ、シリアスのバランスが良く、真面目過ぎず不真面目過ぎず、読み易さと楽しさを両立出来ているように思う。
主観の極みだがギャグのレベルも高い。
個人的には主人公とヒロインの関係に割り込む人間が居ない点もポイントが高い。
恋の障害は己の心のみ。敵となる他人は必要無し。
ワールドトリガー (既刊24巻)
ワールドトリガー 1 (ジャンプコミックス) コミック – 2013/7/4
楽しさㅤ:★★★★★
興味深さ:★★★★★
美しさㅤ:★★☆☆☆
別世界からの侵略者「近界民(ネイバー)」と対近界民用の防衛組織「ボーダー」との戦いを描くSFバトル漫画。
設定がとにかく緻密で、世界観設定や技術設定も細かく、
登場人物も非常に多い為、世界の解像度が非常に高い。
集団戦の描き方が上手く、戦略も高度で展開も熱い為、戦闘の楽しさが強い。
魅力的な人物が多いが、人物の多さと掘り下げの少なさから、
美しさは未だ十分に描かれていないように感じる。
楽しさと興味深さは非常に強く、美しさもいずれ強くなるだろうという予感がある作品。
ランウェイで笑って (全22巻)
ランウェイで笑って(1) (講談社コミックス) コミック – 2017/9/15
『たぶんね、わたしの方が夢のことに向き合ってる時間、長いと思う。それでも育人が「頑張ってない」とは欠片も思わないの。
「私はこれだけ頑張るんだ!」「後は知らない!」って腹括るのは意外と簡単かもしれなくて。
家事して、働いて、世話して、夢を追って。「なにも捨てない」「両立する」って方が覚悟がいるんじゃないかって。
わたしには出来ない。出来ないから感心するし、尊敬するし、コイツには負けたくないって思うの。
だからね、育人。勝って。勝たないと、その努力は証明できない。』
楽しさㅤ:★★★☆☆
興味深さ:★★★★☆
美しさㅤ:★★★★★
低身長ながらもパリコレモデルを目指す女子高生「藤戸千雪」と、貧乏ながらもファッションデザイナーを目指す男子校生「都村育人」、二人の物語。
テーマの特殊性や、服飾、モデル関係の専門知識等が起因して、興味深さはある程度強い。
話の展開が早く、物語も美しいが、綺麗なものばかり描く訳ではなく、不幸や葛藤や挫折も描かれている為、その点は人を選ぶ可能性がある。
展開や愛、怒り、そして何より絵の表現の美しさが強い。
特に絵の力が非常に強いと感じる為、視覚的な美しさを求める人間には強く薦めたい。映像作品を好む人間など。
ファッションへの興味が微塵も無い私でも楽しめた為、ファッションを愛する人間であれば、より楽しめるかもしれない。
呪術廻戦 (既刊19巻)
呪術廻戦 1 (ジャンプコミックス) ペーパーバック – 2018/7/4
『因果応報は全自動ではない。悪人は法の下で初めて裁かれる。呪術師はそんな"報い"の歯車の一つだ。
少しでも多くの善人が平等を享受できる様に、俺は不平等に人を助ける。』
楽しさㅤ:★★★★★
興味深さ:★★★★★
美しさㅤ:★★★★★
人間の負の感情から生まれる「呪霊」と、それを祓う「呪術師」との戦いの物語。
物語の展開が早く、戦略の絡む戦闘描写が非常に上手い。
設定も緻密で、人物の掘り下げも深く、哲学や思想が強い為、興味深さも強い。
人物や展開、台詞、感情、関係性、思想の美しさが強く、魅力的な登場人物がとにかく多い。
楽しさ、興味深さ、美しさがどれも高水準で、アニメの出来も良いので非常に勧め易い作品。
アルテ (既刊16巻)
アルテ 1 (ゼノンコミックス) コミック – 2014/4/19
『本当は気づいてる。絵が好きだなんて、そんなキレイな気持ちだけでここまで来たんじゃない。私をつき動かしたのは、そんな気持ちじゃ無かった。
あの時も、あの時も、私の心の中に常にあったのは…怒りだ。』
楽しさㅤ:★★★☆☆
興味深さ:★★★★☆
美しさㅤ:★★★★★
ルネサンス期、男尊女卑の時代に生まれついた貧乏貴族の女性「アルテ」が、女が立ち入ることを許されていない画家の世界へと足を踏み入れ、一人前の画家として生きていく、戦いの物語。
テーマがテーマなので、人の悪意や理不尽が多く描かれている。我慢して読んで欲しい。
絵も漫画も上手い。
ある種の歴史モノとして観点や、絵に関する知識、思想などの興味深さが強い。
人物や台詞の美しさも強いが、何よりも怒りの美しさが強い。
理不尽な世界への怒り、自分を見下す人間への怒り、弱い自分自身への怒り。怒りから来る熱量がとにかく強い作品。
意志の強い人間や、強い女性を見たい人間に特に勧めたい。
色の無い歌声
知り合いにボーカロイドの曲ばかりを好んで聴いている、やたらと歌が上手い人間が居た。
その知人と話すことが多かった時期、私は絶賛、ボーカロイドの曲たちと戦い、修行を積んでいる最中だった。
機械音のような歌声を受け入れ難いと感じていたのは中学生の頃からであったが、忌避していたその歌声と向き合うべく、耳を慣らしていたのだ。
今の私であれば、人間に依存しない楽器としての歌声だったり、人間の存在を排斥した世界観の表現だったりと、機械の歌声の存在意義を少しは理解出来た気になっているが、
あの頃の私は、何も理解し切れず、何もかもに共感出来ないと感じていた。
機械で歌う意義や理由を誰に尋ねても、私を納得させる答えは得られなかった。
ある程度の理解は可能で、多少の利になると感じる答えは幾つも授けられたが、一つのジャンルを確立するに足るほどの熱量、その源流は感じられずにいた。
当然、件の知人にも、私は尋ねた。
そこで得られた答えが、
「原曲が機械だと、歌っている人間の表現や解釈が介在していないのが良い」
というものだった。
理解は出来ても深く共感出来る内容では無かった為、その他の質問と同じ箱に入れておいたのだが、それが最近になって掘り出されてきた。
音域的に原曲通りに歌える気がしない曲や、声質的に原曲に寄せる気になれない曲などを歌う際、寧ろ歌い方を自分で模索出来るのが楽しいと感じ始めたのだ。
実体験を伴うと、途端にあの台詞が大切な物のように見えてくるのだから、不思議なことだ。
適当な箱に仕舞い込んでいた何かが、ある日輝き出すという経験は、なかなかに気分が良いものだった。
今も私の記憶の中には、光の欠片が埋もれているのかもしれない。
骨伝導イヤンホホを買った
母上が買ったものを試させてもらったところ、想定よりも大分好みだったので真似して買いました。
利点はただただ「周りの音を聞きながら音楽を聴ける」ところに尽きますが、もう少し具体的に。
・仕事中等にデメリットなく音楽を聴ける
→声をかけられても問題無し。
音量も周りの声を聞ける程度なら音漏れしない。
髪の長さ次第で装着していることすら確認されにくい。
・音楽を聴いていても病院の待合室やバスでアナウンスを聞き逃さない
→かなりでかい。医者行く頻度高い人には嬉しい。お店のレジとかでも都合が良い。
・自転車に乗る時に音楽を聴ける
→周りの音が聞こえるので安全。
・料理中に音楽を聴ける
→換気扇の音とか火の音、油の音が聞こえないのは少し危険な気がするのでこれも安全性が上がって良い。
・実家暮らし限定だが、家族と会話しながら音楽を聴いたり動画を見たりできる
→単純に無視したくないし、意図せず無視して不機嫌になられたりする心配も無くなる。
食卓で動画を見たい時など、知らない動画は他人にとって騒音になり得るが、自分にしか聴こえないなら問題無し。
ご飯を食べながらそれぞれが別の動画を流すなどもできる。
よく考えたら恋人と同棲してるやつにも恩恵あるかもな馬鹿が。
・環境音を聴きながら音楽を聴ける
→オススメは公園の雑踏と合わせること。
風がある日とかも良い。
試してないけど海とか良さそう。
・充電、持ち運びが意外と楽
→買ったやつに専用のポーチがついていたこともあるが、サイズ的にポケットに入るのがグッド。
・高いやつ、そこそこ音質が良い
→正直買う決め手になった。
2万くらいのやつでも割と音質良くてストレスが少ない。良いやつ、良い。
当然ですが騒音が大きい場所(電車内、大通り沿い)での使用には向きません。
周りの音を気にせずしっかり聴きたい場合はイヤホンやヘッドンホホの方が向いてます。
イヤンホホ、ヘッドホンが向かないシュチュエーションホホでも音楽を聴けるようになる、という点が骨伝導イヤンホホの魅力と言えるでしょう。
音楽は常に鳴っているべきなので、それを邪魔する事情を取っ払えるのは革命だと思います。気になったら是非に。
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